モンドセレクションのハンパない目的(3)

誰でも簡単に受賞できるモンドセレクション!

公式サイトを読み進めていくと、最後のあたりにこんな2つの文が書いてありました。

評価の得点は集計された後平均値を算出し、その結果に応じて銅、銀、金ならび最高金賞などの優秀品質賞を授与します(モンドセレクション公式ホームページより引用

果たして、この銅・銀・金・最高金賞に何の意味があるのか?金があるのに、最高金賞ってややこしいだろう!最高の金ってなんだ?などと重箱の隅をつつきたくなります。

さらに、読み進めると・・・

受賞商品には優秀品質ラベルを表示することが出来ます。ラベルは消費者にとって製品の品質保証の目安となり、高いマーケティング効果が期待できます(モンドセレクション公式ホームページより引用)

この最後のほうに書かれている文章にすべてが説明されているように感じます。結局、モンドセレクションとは、その商品を売るための広告効果がすべてなんだろうなと思いました。

時に、人は権威に弱いです。だから、化粧品でも有名大学教授や有名皮膚科医師、芸能人のお墨付きをお金で買います。こういった権威のお墨付きは、安ければ数十万程度で、高ければ、数百・数千万で買うことができます。また、これらの手法は最初は目新しさから目立ち、効果が高かったのですが、今では使い古されて、コストが高い割に、効果が無くなってきました。だからこそ、12万円程度で権威付け出来るなら、安いものなんでしょう。

やっぱり、『最高金賞』とか言われると、「すごい」って感じる人が多いと思います。私自身も「すごいことなのかな・・・」と、気をひかれました。実際に、CMなど広告に大々的に掲載することによって、何倍もの売り上げを達成した企業がたくさんあるようです。

モンドセレクション側もこういった企業の意図をしっかり理解してる節があります。例えば、モンドセレクションを受賞すると、商品のパッケージや広告にラベルを使うことができます。なんと、このラベルは受賞企業のイメージに合わせてアレンジすることが許されています。
だから、よく見ると同じモンドセレクションのラベルでもデザインがそれぞれ異なっています。

また、出品費用も1商品1,100ユーロですが、「3商品目からは1,000ユーロ」と、100ユーロ値引きされます。こういった細やかな配慮も、企業側が扱いやすい原因だと思われます。

私の憶測ですが、公開されない審査基準、審査する人の不明瞭さ、12万円という低コスト、少なすぎる見本、ラベルのアレンジ、審査料の値引き、対象商材の拡大・・・これらから判断する限り、私にはモンドセレクションの価値を見出すことはできません。どう考えても、意味のない審査なのに、すごそうな権威をくっつけて、お客さんをあおっているようにしか思えません。

そもそも、モンドセレクションは出品したら80%の商品が受賞します。ちなみに、車の運転免許合格率が約65%です。車の免許証より簡単に取れるとは・・・。

こうなると、逆に、落選した2割の商品とその理由を教えてほしいくらいです。審査料は12万円とは言え、お客様から頂いた貴重なお金です。間違ってもモンドセレクションを取るために、払っているのではありません。我々作り手の使命は、いかに頂いたお金を効率よくお客さまの目的を達成するために使うかです。

この観点から見ると、私はモンドセレクションに費用をかけることも、その価値も無いと感じました。というより、もし、こんなことしてたら、私がお客さんから見放されるでしょうね(笑)

ただ、ビジネス的には価値があるのかもしれません。実際に、モンドセレクションの出品をサポート(コンサル)する企業もあります。こういった企業を使って、さらに、授賞式に出席するための費用や時間は一体どれだけかかるんだろう?本当に、それに見合うだけの価値がお客さんに提供できるのだろうか?価値のない賞をあたかもすごい賞のように装って何とも思わないのでしょうか?どうしてもこれらの疑問が頭から離れません。だから、アースケアがモンドセレクションをとることはないでしょう。

理想を言うなら、モンドセレクションの審査料が10倍になってもいいので、本当にしっかりした審査を行って、消費者に対して保障まで行う機関になってもらえたらと思います。まぁ~、私の勝手な願いですが。今回の話をあなたはどう判断されますか?

投稿日:2013.09.11

この記事があなたの役に立ったなら、あなたのお友達にも教えてあげてください。
以下のSNSボタンをクリックするだけでOKです。

アースケア代表・化粧品開発者

井上龍弥

2000年アースケアを創業。保湿に特化したアクシリオの開発・販売を手掛ける。起業家ならではの人生観や自身の超がつく敏感肌・乾燥肌の経験談が愛用者に人気。

スキンケア情報一覧

目次