先日、国内最大の電子商店街である『楽天市場』で、11万件を超えるステマ行為が発覚しました。
インターネットによる通信販売サイト「楽天市場」で、架空の注文をしたりウソの口コミを投稿したりする大掛かりな「ステマ」が発覚した。 楽天はこれを仕組んだとして大阪市のシステム会社に約1億9800万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こしたが、通販への不信がさらに広がりかねない事態になっている。(引用元:『「やらせ」の口コミや架空の注文なんと11万件超! 「楽天市場」で大掛かりなステマが発覚』/Jcastニュース)
以前から、芸能人によるステマが話題に上っていましたから、ご存じの方も多いと思います。
ステマとは、『ステルスマーケティング』というマーケティングの手法のことで、それが宣伝であると消費者に悟られないように宣伝を行うことです。いかにも中立を装った批評なんかが、よくある手口ですね。
以前にも、「あの大手ショッピングサイトの化粧品ランキングや口コミは、信用できるのか?」でも取り上げましたし、業界では噂になっていたとおり、これで確定ですね。やはり、ランキングや口コミは、鵜呑みにするべきではありません。
まぁ~、ネットショッピングでは、レビューの数や評価で購入する人が多いので、こういった商売は必然的に成り立ちます。多くの人が被害にあったことでしょう。非常に残念です。
と言う私自身も、楽天のヘビーユーザーであり、今まで何度かレビュー通りではないものが届いたことがあります。もしかしたら、そこに書いてあったレビューもステマ業者がせっせと書いたものだったのかもしれません。
さて、今回、この記事を読んでいたら、いろいろと突っ込みを入れたい部分がありました。
ステマの真の被害者は楽天?
記事では、楽天がステマ業者を訴えるとあります。
しかし、本当の被害者はお客さんなのでは?
ステマ業者を訴えるのはいいとして、その前にお客さんに謝罪すべきでは? 見逃したのかもしれませんが、ユーザーである私は謝られてはいません。
そもそも日頃からステマに対して、しっかりと目を光らせているのだろうか?
いろいろと疑問を感じます。
ステマを行った店舗に対する対処が甘すぎるのでは?
ステマ業者とつながっていた店舗は、全部で121社!
記事には、「各出店者に中止を求めたが、これに応じなかった数十店とは出店契約を解いたという」とありますが、応じなかった数十店ってどんな極悪な会社だ!
そもそも、ステマ業者とつながっていた時点で121社すべてと出店契約を解除するとともに、今後、こういったことが起こらないように会社名を公開してもいいのでは・・・しかし、楽天側もそれをできないほど、苦しい状態なのかもしれませんね。物販では、実際にアマゾンにぶち抜かれてますし。
ステマ価格が安すぎる
記事によると、150件の書き込みが、なんとたったの8万円。
一年間で96万円払えば、レビュー数が1,800件!
121もの店舗が利用していたことからも、広告効果の高さを物語っています。カテゴリによっては、すごい広告効果でしょう。特に、楽天の販売する正規広告と比べると、かなりお得だと思います。
一件のレビューを書いてもらう費用にすると、533円。格安です。
こんなに安くできるということは、まだまだたくさんステマレビューはあるでしょうね。ゴキブリは、1匹見つけると20匹隠れていると言いますが、こういったステマ業者も同じぐらいいるでしょう。いや、実際は、もっと多いかもしれません。
このような大手の口コミレビューは、業界問わずにステマ業者の餌食になっていると推察できます。化粧品の販売サイトや口コミサイトにも、大量に入り込んでいると思いますよ。
2013年11月に書いたちょっと古い記事ですが、詳しくは、『あなたは信じる?信じない?世の中にあふれる化粧品口コミランキングサイト!』が、参考になると思います。ぜひ併せてご覧ください。
ステマレビューを見破る3つの方法
さて、本当にうっとおしいステマレビューですが、ちょっと気を付けるだけで回避することができます。
まず、評価の悪いレビュー(★が1つ)の数を見ます。
たとえば、評価の高い『★5』レビューが100件あったとして、評価の低い『★1』レビューが10件以上あったとしたら、評価の高いレビューはステマの可能性が高いです。
なぜならば、『★5』は、「すべてが完璧。文句なし」という最上級のサービスを受けたと感じたときにしか付けないものです。一方、『★1』は、「絶対にこのショップの評価を落としてやる」と思えるほどの待遇を受けない限り、なかなか付けません。
「すべてが完璧。文句なし」と感じる人が多いショップでもミスをしますから多少の『★1』があるのはわかりますが、それが高いレビューに対して1割以上あるのは、バランスとしておかしいです。ステマである可能性を考えておいたほうがよいでしょう。
次に、それぞれの評価の星数もチェックしましょう。
通常は、『★4』、『★3』あたりが最も多いです。「特に問題がなく、可もなく不可もなく」という普通の状態であれば、真ん中を選ぶからです。ネットショップの大半は、これぐらいの評価をもらえるレベルを維持しています。その次には『★5』が、その次には『★2』が、そして『★1』が一番少ないものです。
ところが、『★5』が一番多くて、次に、『★1』が多いのは、ショップとしておかしいです。見破る方法その①で話したとおり、『★1』には「評価を落としてやろう」というレビュアーの確かな意思が存在します。それだけの待遇を受けた、ということです。
ですから、『★5』と『★1』のように相反するレビューが1位2位と多いのは、ステマレビューの可能性大です。
最後に、レビュアー(レビューをしている人)の情報を見ましょう。 やたらと『★5』のレビューがばかり書いていたり、レビュー数が数件しかない人ばかりだとステマの可能性が高いです。 あとは、薄っぺらいどの商品にも使えるような抽象的な内容のレビューも怪しんだ方がよいでしょう。
少し面倒ではありますが、これらをチェックするだけでもステマを利用している店舗を判別することができます。また、これらは、楽天以外のレビューを判断するときにも使えます。むかつくステマに騙されないために、役立てていただければ幸いです。
投稿日:2015.04.05