最近、久しぶりに地元の友人Kに会いました。
Kは中学時代からの友達で、勤めていた会社を退職した後、結婚し、父親の会社の跡を継ぎました。現在は、会社を経営しています。お互いに経営者ということもあり、情報交換をかねて、たまに会います。そんな彼から、化粧品のテレビCMについて質問されました。私にとっては、『業界の当たり前』という認識でしたが、彼にとっては、非常に奇妙に感じるらしいのです。違和感というか、嫌悪感というか。
そこで、今回は、友人からされた質問を交えて、この違和感・嫌悪感のようなものを説明したいと思います。
実は、この『感覚』は非常に大切で、無駄なお金や時間を使わないコツとも言えます。ぜひ、参考にしてください。
友人は、こんな2つの質問をしてきました。
あの化粧品のCMの意味は?
友人Kからの質問その1
「『使ってもらえば、違いが分かる』って言ってるあのCMの化粧品、それまでのものと違いを感じるぐらい、すごい効果があるん?」
今まで化粧品なんて興味がなかったものの、結婚をしたことで興味の幅が広がり、化粧品の謳い文句に対して疑問に思ったということでした。皆さんも、一度は聞いたことがあるかもしれません。CMだけでなく、雑誌や美容部員の売込みにもよく使われる言葉です。
「使うと違いがわかります」
「全然違うんです」
この手のセリフを聞くと、私の友人のように、「この化粧品は、今までの化粧品とは劇的に違う、すごい効果があるのだろう!」と、感じてしまうでしょう。
誰だって、『効果の話だ』と勘違いをします。でも、実際は違います。
例えば、このCMの場合、セリフの後に、すごーく小さな文字で、画面の片隅にこう書いています。
「ここで言う違いとは、使用感のことです」
と、注釈がでます。大体、『※マーク』の後に書いてあります。かなり注意して見ないと、見逃します。
また、見つけても字が小さいので非常に読みづらいです。さらに、すぐに消えてしまいます。全神経を集中して、獲物を狙う鷹のように、目を凝らして見ないと気づかないでしょう。
化粧品は、薬事法によって、『人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものを言う。』と定義づけられています。『作用が緩和』であるため、極端な話、過剰に効果があるのはおかしいわけです。
だから、例のCMの注釈も、薬事法をクリアするためだけに載せてある注釈で本当は理解してほしくないのでしょう。そうでなければ、最初からもっと分かりやすく、「使ってもらえば、使用感の違いが分かります」と表記するはずですし、そういうセリフになります。
でも、そう書かないし、言わない。化粧品の使用感がそれぞれ違うのは、当たり前のことですから、はっきりと言ってしまうと、見ている人から「そんなことは当たり前だろ!」と突っ込まれてしまいます。そうなると、広告の意味がありませんから。
以上のことから、『※マーク』から始まる小さな文章を見逃さないようにしましょう。なぜなら、ここにその商品や会社の真実が含まれているからです。
他にもある!
『※マーク』に秘められた真実
この手法はいたるところで使われています。よく目にするものでは、『無添加化粧品』も同じ手法です。添加とは、本来は、「配合していない」ということ。つまり、『無添加化粧品』という表記のみだと、何も配合されていない化粧品ということです。ですから、正しくは、『香料無添加』とか『着色料無添加』というように、『何が』無添加なのか併せて表示する必要があります。
でも、はっきり書いてしまうより、ざっくり『無添加化粧品』とボンヤリさせておくほうが、誤解が生まれやすいのです。『無添加化粧品』とだけ書いておくと、あたかも添加物が一切入っていないようなイメージを描きます。本当は、香料だけが無添加だとしても。(詳しくは、「敏感肌に無添加化粧品を使ってはいけない」をご覧ください)
このように明確にせずに、あえて誤解を誘って商品に注目させる手法なのです。だから、まず、CMを見た印象を覚えておいて、次に注意深く、『※マーク』の文章を読んでみましょう。そこで特に違和感を感じなければ、その商品はあなたに必要なものです。逆に、「思ったイメージと違う」、「何かウソくさい」などの違和感を感じたら、あなたに不必要な商品といえます。
あと、誤解させる以外にも、ウソを緩和する手法でもよく使われます。ある企業のCMでは、『初めての美容成分●●を配合!!!』と大々的に宣伝していました。私は、その成分が他の化粧品にも使われていることを知っていたので「???」と不思議に思いました。
でも、よく目を凝らしてみると、画面の右下隅に例の小さい※印が!その後には、こう書かれていました。
「●●●(某大手化粧品ブランド)に初めて配合しました」
いやいやいや・・・。なら、そう書けよ!!
単に、初めての美容成分配合って言われたら、化粧品すべてに配合されていない新成分を配合したように思うだろうが!!!自社ブランドのみで初めてとか言い出したら、何とでも言えます。無限に、「初めての美容成分配合」って言えます。
これもごまかしですよね。化粧品は、新しい成分が配合されると、それまでの化粧品よりも効果があるように感じます。これには非常に異論があるのですが、そう感じる方が多いので仕方ありません。
ただ、新成分と言うのは、開発するのにコストと時間がかかります。また、認可も必要となります。そのため、ホイホイと開発することができません。
だから、既存の成分を自社ブランドの化粧品に初めて配合することを、あたかも新成分を配合するかのように誤解させているのでしょう。姑息な手です。同じ化粧品メーカーとして、腹立たしい話です。
でも、残念ながら売れるんですよね~。もちろん、うちなんかよりこういった化粧品メーカーの方が断然売り上げも多いし、会社も大きいし、社員も多いし。何だか、むなしくなってきました・・・
と、ボヤキはこれぐらいにして、化粧品を購入する際は獲物を狙う鷹のような目でCMやパンフレットを隅々までチェックしてください。特に、※印は要注意です。
次回は、もうひとつ友人Kから質問された内容を取り上げます。お楽しみに!
投稿日:2013.11.26