昨年、社会現象にまで発展した、カネボウの美白化粧品による白斑問題。(詳細はこちら『美白化粧品の白斑問題から学ぶべきこと』)
未だに裁判や補償問題は継続しています。そんなカネボウの親会社である花王が2013年12月期の連結決算を2月4日に発表しました。
これによると、白斑問題によって生じた特別損失が97億円発生したとのこと。まぁ~、あれだけの大きな問題になれば、回収費用だけでもすごい金額になるはず。この中には含まれていないが、補償に関する金額、ブランドイメージの低下などを加えると、一体いくらになるのか?私のような中小企業経営者には、皆目検討がつきません。
もし、私がこんな損失を出してしまったら、うちのような中小企業は100回倒産してしまいます。いくらカネボウが大きな化粧品会社でも、100億円近い損失を出してしまっては、「さすがに大丈夫か?」と思ったのですが、そんな考えは杞憂だったようです。
なんと、化粧品では損失を出したものの、紙オムツや洗剤などの日用品が好調で、全体を見れば1兆3152億円、最終利益は647億円!
もし、美白化粧品問題が無ければ、利益は700億円を超えていた。ここまで来ると、大金すぎて、600億でも700億でも一緒のような気がしてしまう。
いや~すごい。うちだったら何百年、いや、何千年かかってしまうのだろうか???と、何の意味もない比較は置いといて。
確かに、すごい売り上げ、すごい利益。経営者としては、単純に「うらやましい」部分でもあるのですが、今回の白斑問題が起きると、そう単純に考えてはダメだなと反省してしまいました。
結局、今回の損失と言うのは、全体の売り上げから見れば、わずか0.72%(小数点第3位切り捨て)だ。1%にも満たない。会社を体に置き換えれば、蚊が刺したほどでもない。
この意識が、問題が起きた後の対応のまずさに出ていると思います。なぜなら、結局は、1%以下の損失ですから。そんなに危機感はないですよね。
もし、うちなら超・ウルトラ・スーパー・ミラクル・レジェンド・大打撃です。コロニー落とし(byガンダム)が直撃したぐらいのダメージです。
このダメージ、伝わるでしょうか。うちならば、跡形も残らずに即死ですね。
これは、花王がどうの、カネボウがどうのっていう意味ではなくて、誰だってここまで大きくなったら、重きをおかなくなってしまうのは仕方ないのかもしれないなと思います。その一番の例が国の機関です。
ちょくちょくシャレにならない失態を行いますが、これも大きい組織の弊害でしょう。
そこで働いている公務員の方、花王やカネボウの社員の一人ひとりは一生懸命頑張って働いているはずです。でも、組織が大きくなると、伝達に時間がかかったり、情報が捻じ曲がったり、途中でなくなってしまったり、一部の利己的な人間によって操作されたり・・・。結果、驚くほど大きなトラブルに発展します。さらに、そこに輪をかけて、稚拙な対応をしてしまいます。
今回の白斑問題も、こういった背景があったのでは、と勝手に予測しています。
そういった意味では、「うらやましいけど、やっぱり小さくていいや~」と、負け惜しみではなく、素直に思います。実際に、お客さんからも「アースケアさんは、いつまでも今のままでこじんまりしておいてくださいね」という慰めともとれる嬉しいお声をいただきます。
小さいからこそ、大きいところにはできないことがある。そして、それを望んでいる方がいる。だから、私たちのような小さな存在が必要とされる。
いや~、嬉しいことです。
投稿日:2014.02.19