美容オイルには本当に『ブースター効果』があるの?

オイルを塗ると、肌は柔らかくなるのか?

ズバリ、オイルを塗ると肌は柔らかくなります。

皮革のカバンや靴を、ワックスやオイルでお手入れすると、なめらかになりますよね。
他にも、カラカラに乾燥した手にハンドクリームをつけると、手指を動かしやすくなります。

このように、オイルは肌を柔らかくします。
前回お話したように、オイル(油分)は、肌になじみやすいからです。

肌が柔らかくなると、化粧品が浸透しやすくなるのか?

乾燥した肌は、角質層(肌の一番表面にあり、水分をためこむ場所)が、未熟な細胞で形成されています。
十分に成熟していない不完全な細胞であるため、細胞自体が縮こまり、肌全体が硬くなります。

このような肌には、水分や保湿成分がなかなか浸透しません。

ですから、「肌が柔らかくなると、化粧水を浸透しやすくなる」というのも正しいです。

と、いうことは、「オイルを塗ると、化粧品が浸透しやすくなる!」ということになりそうですよね。

でも、ここで注意が必要です。

油分は水分をはじくもの

大前提です。

「当たり前じゃない」と思われるかもしれませんが、言わせてください^^;

油分100%のオイルは、水をはじく性質があります。
「水と油は混ざり合わない」というのは、自然の法則です。

ですから、単純に考えて、油分を塗った後に化粧水など水分を塗ると、はじかれてしまいます。
これは、スキンケアでも同じことが言えます。

でも、現在、話題になっているオイル美容では、「先にオイルを塗っても化粧品をはじかない」と言わたりするんですよね。

その根拠は・・・というと、「肌が柔らかくなるから」「肌になじみやすいから」と言われることが多いです。
でも、もちろん、『肌が柔らかくなること』と『肌になじみやすいこと』は『水をはじかない』こととは関係ありません・・・。

他に有力な根拠として挙げられるのは、「実際に、オイルを先に塗ったほうが、肌がしっとりするから」です。

ここについて、考えてみましょう。

『しっとりする』=『浸透する』?

乾燥肌や敏感肌の方が、洗顔後、まずオイルを塗ったらどうなるでしょうか?

化粧水やアクアテクトゲルを塗った直後よりも、「肌がしっとりする」と感じられることがあると思います。

先ほどお話したとおり、水分や保湿成分よりも、油分は肌になじみやいからです。

そのため、肌に塗ると短時間でなじんで、肌は柔らかくなります。
つっぱりやかさつきも和らぎ、「しっとりした」と感じるようになります。
このしっとり感は、化粧水などの保湿化粧品をつけた後も続きます。

ここまでお話すれば、もう、お分かりかもしれませんね。

そうです。

「しっとりしている」というこの『感覚』が、「洗顔後の肌にオイルを塗ると、化粧品が浸透しやすくなる」という効果を生み出しています。

簡単に言ってしまうと、錯覚のようなものです。

  • オイルを先に塗ると、『いつもよりたくさんの水分や保湿成分が肌に浸透する』
  • オイルを先に塗ると、『いつもより肌の奥まで化粧品が浸透する』

 
このような効果はあまり期待できないと考えたほうが良いでしょう。

ちなみに、『オイルを先に塗ると、化粧品が浸透しやすくなる』という理由のひとつに、「オイルが、他の化粧品の成分を運んで、いつも以上に浸透しやすくする」という考え方もあるようです。

ただ、これも根拠がはっきりしていません。

そう言えば先日、化粧品の研究者の方が、『ブースター(導入)効果』のある化粧品について、同じような説明をされていました。

そのとき、「後から塗る化粧品に、もし、アレルギー成分が含まれていた場合どうなるんでしょう」と伺うと、「いつも以上に反応する可能性があります・・・」と仰っていたことが思い出されます。

私は、内心、「ひえーーーっ」と青くなりました^^;

オイル美容も、導入目的の化粧品も、今、かなり流行しています。

「実際に、化粧品の浸透を促す効果があるのか?」
「あるとしたら、肌に悪影響は無いのか?」といったことは、これから慎重に調査する必要があるなと考えています。

今回は、現時点でお伝えできることをまとめました。

『オイルを塗ってから化粧品を使う』というお手入れ方法に、もし興味がおありでしたら、上記の情報を参考にしていただければと思います。

最後にあとひとつ、大事なこと!

「オイルを塗って、肌が柔らかくなるなら、オイルケアを続けていれば、化粧品が浸透しやすくなるんじゃないの?」

と、思われるかもしれませんが、これは間違いです。

確かに、肌が柔らかくなれば、水分は浸透しやすくなります。
油分を塗ると柔らかくなるのも事実です。
しかし、それは一時的なものです。

乾燥肌・敏感肌の改善に必要なことは、一時的に表面を柔らかくすることではなく、硬く縮こまった肌細胞の状態そのものを変えることです。
つまり、【肌の生まれ変わりそのものを正常化し、成熟した肌細胞で角質層を構成すること】です。

こうして出来上がった肌こそ、本当の意味で柔らかく、かつ、水分や保湿成分が浸透しやすい肌だと言えます。

そのためには、十分な水分を与え続け、それを維持し続けるケアが必要です。

もし、現在、シミやシワ・肌の乾燥や皮脂・ニキビなどの肌トラブルでお悩みなら、こういった正しい保湿ケアができていないのかもしれませんね。
お手入れの参考になると思いますので、『正しい保湿の方法』をこちらで続けてご覧ください。

そして、根本的な肌トラブルの改善を目指していきましょう♪

更新日:2017.11.23投稿日:2015.04.21

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