ついに、判明か?
カネボウ白斑問題の原因!
カネボウが美白成分『ロドデノール』が配合された美白化粧品を自主回収してから1年が経過。(白斑問題の詳細はこちらをクリック)今まで原因不明だった白斑の原因を、7月5日にカネボウの研究員が発表しました。
その内容は、美白成分『ロドデノール』が酵素と反応することで、色素細胞が死んだり、減ったりすることが白斑の原因となる可能性が高い、というものです。
要は、色素細胞が死んだり減ることが白斑ができる大きな要因になっているとのこと。そこで、さらに突っ込んで考えてみました。
色素細胞とは?
色素細胞とは、色のついた細胞の総称です。
今回の白斑の原因は、この中のメラニン色素を生成する機能の停止・弱体だと思います。本来、私達の肌は、あらゆる外界の刺激から身を守る機能が備わっています。その中でももっとも重要な機能が、紫外線から身を守る機能です。
紫外線は、あらゆる生物にとって大敵です。細胞レベルでダメージを受けます。女性の悩みで多いシミも紫外線が一番の原因です。
この憎き紫外線のダメージを軽減してくれるのが、メラニン色素です。メラニン色素は自らが紫外線を吸収することで、肌の奥に紫外線のダメージが届かないようにしてくれます。そして、紫外線をタップリ浴びて役割を終えると、肌から剥がれ落ちていきます。みんなは、肌の色が黒くなるって嫌うんですけど、ホントは良い奴なんです。
ロドデノールによって、
色素細胞が死ぬ・減ると、どうなるの?
私達の肌を守ってくれるメラニン色素。色素細胞が死んだり、減ってしまうと、メラニン色素が生成される量が減る、もしくは、無くなります。そうすると、肌は紫外線に対して、無防備となります。
その結果、肌の奥深くまで紫外線のダメージが刻まれます。肌へのダメージは、奥に行けば行くほど、深刻になり、治りにくくなります。今回の白斑問題は、肌を守るべき色素細胞がまったく機能しなくなることで、紫外線によるダメージをもろに受けたのだと推測できます。
ちなみに、私は、恐ろしいほどの敏感肌なので、今の時季なら30分程度、紫外線を浴びるだけで、高熱が出て皮膚が赤く腫れあがり、縮れたようにつっぱりが出てしまい、2~3日は歩けなくなります。通常であれば、この程度の紫外線なら、日焼けはしても何の問題もありません。
私はロドデノール配合の化粧品を使ったわけではないのですが、生まれつき色素細胞の機能が乏しいようです。私の場合、生まれつきなので自ずと幼い頃から紫外線対策を講じることが習慣化されていますが、今まで大丈夫だった人がいきなり私のような状態になったら大変です。しかも自分の知らないうちに・・・。
紫外線を浴びてすぐに白斑ができるわけではありません。一定期間、自分の肌が無防備だと気づかずに過ごします。そして、水面下で紫外線によるダメージが徐々に蓄積されていって白斑となるのでしょう。白斑ができたころにはもうどうすることも出来なくて、かなり肌の奥深くまでダメージが蓄積していると思います。
カネボウが、ロドデノール配合美白化粧品を回収して1年経過した結果
当初、カネボウは楽観的に考えていたのかもしれません。当時の発表した記事にも、「ほとんどの人は、自然に治癒していく」と書かれていたことを記憶しています。
で、あれから1年・・・
実際に、白斑に悩む方達はどうなったのか?
日本皮膚学会が白斑被害に悩む人1,341人を調べたところ、約7割に改善傾向が見られたそうです。
しかし、白斑がほぼなくなったのは、7%。
変化のない人、25%。
悪化した人は、2%。
これを全体である19,000人に置き換えると・・・
白斑がほぼなくなった人は、1,316人。
変化のない人は、4,747人。
悪化した人は、372人。
白斑が消えるために必要な2つの要素
今回発表された白斑ができる原因を元に考えると、白斑が消えるためには必要な要素が2つあります。
一つ目は、ロドデノールによって減ってしまった色素細胞が復活するのか?減った色素細胞は増えるのか?死んだ色素細胞は生まれ変わるのか?
つまり、色素細胞の機能が衰えた・失われたことが原因ですから、紫外線から肌を守る機能が復活するのかどうかが鍵です。もし、色素細胞が機能しなければ、紫外線を浴びれば浴びるほど、白斑は濃くなり、増えることとなります。
もう一つは、今回ダメージを受けた肌は回復するのか?通常は、紫外線ダメージをメラニン色素が一身に受けてくれることで肌のダメージは軽減されます。また、メラニン色素は肌の奥で生成されて、徐々に表皮に押し上げられていきます。そのため、できるだけ肌の表面に近い部分で紫外線のダメージを受けることで、肌の奥深くまで紫外線のダメージを受けることはありません。
でも、今回は、完全に無防備な状態だったために、メラニン色素ではなく、肌の細胞そのものがダメージを受けています。しかも、かなり深い部分まで紫外線が届いている可能性が高いです。このダメージを受けた部分が白斑となって表面化しているので、この部分が生まれ変わらないと白斑は消えません。
この2つの要素は、どちらも細胞の生まれ変わりが鍵となっています。
私達の身体は、20歳ごろをピークに老化が始まります。人の皮膚は、日々、生まれ変わっているのですが、老化が進むと生まれ変わりのスピードが極端に落ちます。年をとるとシミが目立つのもこれが原因です。
私は今年41歳ですから、もはや成長する期間より、老化する期間の方が長いということになります。当然、肌の回復能力も落ちています。若いころに受けた紫外線のダメージが、年々、シミとなって現れます。当然ですが、若いころと比べて、身体の回復機能もずいぶんと衰えてきました。
美白化粧品は、年配の人がたくさん使われます。若い人は、肌の生まれ変わりが早いのでそもそも使う必要がありませんもんね。 しかし、年配の人ほど、肌の生まれ変わりが遅く、場合によっては機能していない場合もあります。そのため、今回の白斑問題はかなり長引くことと思います。
白斑を防ぐ方法
白斑の原因とも言われている美白成分ロドデノール。2008年に、「メラニン色素の生成を抑え、シミ、そばかすを防ぐ効果を有する」として新規医薬部外品有効成分として厚生労働省の許可を取得しました。
カネボウ化粧品は、開発の過程で成人女性330人による安全性の試験を実施しました。おそらくこのテストでは、今回の毒性のような症状は出なかったのだと思います。
ただ、最近、某社の改ざん事件を見ていると、何だか信用できない部分でもありますが、疑うときりがないのでここは信用しましょう。
ロドデノール配合美白化粧品の売れた数が累計436万個。使用した人数は分かりませんが、通常、一人あたりの化粧品のリピート率は、2回ほどです。思ったより少ないと思われるかもしれませんが、ほとんどは1回買っただけで、次の新作化粧品に移ってしまいます。
ちなみに、もし、うちの化粧品のリピート数が2回程度なら瞬時に倒産してしまいます。そういった意味では、うちのお客さんは初志貫徹な方が多いのでしょう。お客さんに感謝です。
さて、リピート回数が平均2回とすると、この美白化粧品を使った人数は、200万人程度と推察されます。その中で、白斑被害に合った人は19,000人。白斑被害に合った人は、使った人の約1%ということになります。
そう考えると、330人に試験をしても、3人程度は白斑被害が出るはずです。でも、3人という数字は、非常に少なく誤差の範囲とされ、容易に0人にされます。また、白斑被害と一口に言っても、重篤な方から軽微な方まで、様々です。この3人の中に、重篤な人が含まれる可能性は、さらに低くなります。
それに、新規医薬部外品有効成分を開発することは、企業の一大プロジェクトです。軽微な症例は、無視される可能性だってあると思います。
つまり、この程度の安全試験では、有効成分の安全性を証明することは困難です。まぁ~、だからこそ、白斑問題が起きたのですが・・・。
では、どうすればいいのか?簡単です。安全試験をする人の数を増やせばいいのです。新しい成分が配合された化粧品をたくさんの人に使ってもらえばいいのです。
つまり、新しい化粧品が発売されたらすぐに飛びつくのではなく、最低5年間は静観します。その中で大きなトラブルが起きなければ、使えばいいのです。
今回のロドデノール配合美白化粧品も発売されてから5年目に問題が発覚しました。私のように敏感肌の方なら、発売されてから10年ほど経過した美容成分で作られた化粧品をオススメします。
他の人を犠牲にして自分の安全性を確保するという、悪魔の様な手法ですが背に腹は変えられません。被害にあわれた方には非常に申し訳ない言い方ですが、今回の白斑問題が発覚したおかげで今後現れるはずだった数十倍、数百倍の人たちがロドデノールの被害を回避できたことも、また事実です。
白斑被害を100%回避する方法
ただ、いくら沢山の人が使ったとしても、肌トラブルになる可能性が0になるわけではありません。絶対に白斑ができないようにするためにはどうすればいいのか?
それは、美白化粧品を使わない!これに限ります。
そもそもおかしいんですよね。肌を白く見せたいからって、シミをできないようにしたいからって、肌の防御機能を抑えるなんて。そんなことして肌に良い訳ありません。長い目で見たら確実に肌にダメージを与えます。
私は美白化粧品の存在理由が分からないのです。今回の白斑問題でも色素細胞の機能低下が原因と言っています。でも、そもそも美白成分って、メラニン色素の生成を抑えることが目的です。つまり、今回のロドデノールと同じなんです。ただ、ロドデノールは、その効果が高すぎただけ・・・。
有効成分の効果なんて、現れ方は人それぞれです。ある人に効果はなくても、違う人には高い効果が発揮される。人の肌はそれぞれなので、これは当然です。
安全性の高い美容成分なら、何の効果もないか、高い効果があったかのどちらかなので問題ありません。でも、美白成分のように、そもそも肌の防御機能を阻害する場合、効果がありすぎることで白斑被害のようなことが起きてしまいます。もっといえば、ロドデノール以外の美白成分でも白斑被害が起きる可能性は十分にあります。もしかしたら、すでに起きているかもしれませんが・・・。
せっかくの紫外線から肌を守る機能を殺す必要なんて一切ありません。そんなことをするぐらいなら、しっかり保湿をしてください。
保湿なら白斑もできないし、高い効果が出るほど肌が潤います。機能よりも安全が一番だと私は考えます。
投稿日:2014.07.07