先日、お灸を受けてきました。
お灸と言えば、私にとっては、子供の頃の『おしおき』の思い出しかありません^^;
妹との喧嘩がヒートアップすると、おばあちゃんの使っていたお灸(『もぐさ』をモリっと直接肌の上に置いて火をつける本当のお灸)を持った母が、「お灸するで!」と言って仁王立ちするんですね。トラウマレベルに怖かったです。
が、もちろん、お灸はおしおきの道具ではありません^o^ 特に最近は、美容のためにお灸を利用することも注目されています。
ということで、過去のトラウマを振り払って、美容お灸を勉強してきました。
お灸とは?
現在、広く使用されているお灸はこのような形をしています。
この先端の棒の部分に、もぐさ(よもぎ)が詰まっています。(黒いところは、今まさに燃えている部分です)
もぐさというのは、よもぎの葉の裏にある白いモケモケした繊維を乾燥して作られたものです。とても燃えやすい半面、精油成分を含んでいるため燃焼温度が低く、人の体に心地よい温熱を感じさせます。そのため、お灸といえば、もぐさ。もぐさといえば、お灸です。
お灸の効果
このお灸を、体の『ツボ』と呼ばれる部分にのせ、火をつけます。その温熱によってツボを刺激することで、血行を改善することがお灸の効果です。
さて、今回、私が受けてきた美容お灸の目的は、ずばり『リフトアップ』です。「顔のたるみを改善しよう!」ということです。それも、顔にお灸をするのではなくて、腕や手の甲にあるツボを刺激することで、顔のたるみがきゅっと引き締まるというものです。
年齢を重ねると、避けて通るのが難しいたるみの問題。目の周りやほうれい線・フェイスラインなど、たるみでお悩みの方は多いと思います。
私も、最近、ほうれい線が気になっていて、いろいろなたるみ改善方法を研究しています。顔ヨガも表情筋ストレッチも行っています。でも、お灸でリフトアップというのは、正直、想定していませんでした。
お灸とたるみ改善は、どのように結びつくのでしょうか?
これには、先ほどお話したお灸の効果が関係しています。血行不良を改善することがお灸の効果。つまり、血行不良改善が、たるみのリフトアップにつながるということです。
今日はこの点を掘り下げてみましょう。
どうして、肌はたるむのか?
まずは、『たるみ』についてササッとお勉強しましょう!
老けた印象を与える『たるみ』はなぜ起こるのでしょうか?根本的な原因は肌の内部で起こっている次の2つです。
- 真皮の衰え
- 筋肉の衰え
肌の構造を見てみましょう。
水分を保ち、肌表面の美しさを保つのは『表皮』です。その『表皮』を支えているのが『真皮』で、肌の弾力やハリは、この真皮の強さによって決まります。
コラーゲン線維やエラスチン線維という言葉はご存知ですね。美肌に欠かせないと言われるコラーゲン線維とエラスチン線維こそ、真皮の強さの源です。この2つが、真皮の中を網の目のように張り巡らされていることで、指で押せば跳ね返すような弾力のある肌が作られます。
表皮・真皮・皮下組織、この3つの層を一般的に『皮膚』と呼びます。そして、この皮膚全体を、その下にある筋肉が支えています。
『たるみ』は、この真皮と筋肉の働きが衰えたときに起こります。
つまり、支えられているものがへたってしまう、または、支える力が弱くなる。このどちらか、または両方が起こることによって、肌はたるむのです。
では次は、たるみと血行不良の関係についてです。
血行不良で肌はたるむ?
体の冷えや、筋肉の衰え、喫煙やストレスなど、さまざまな要因で、血行不良は起こります。
血行不良が起こると、肌はどうなるのでしょうか?
実は、健康な肌・キレイな肌を作るために、血行はとても重要な役割を果たしています。
血管は肌の真皮を通っています。(たるみの原因となったあの真皮です!)そして、その中を流れている血液によって、酸素や栄養素が運ばれます。これらは、肌を作る材料になります。
血行不良が起こると、これらの肌の材料が行き渡らないため、健康な肌細胞を作ることができません。さらに、真皮の弾力を守っているコラーゲン線維やエラスチン線維も生まれ変わりにくくなります。古いコラーゲン線維はどんどん硬くなり、肌は弾力を失います。つまり、真皮が衰えてしまうのです。
このように、長期的に見ると、血行不良は確かにたるみの原因となります。
そして、もうひとつ、血行不良によって起こる問題があります。『リンパが滞ること』です。
リンパとは?
『リンパ』という言葉、聞いたことがある方は多いと思います。「リンパを流す」「リンパの流れを良くする」「リンパが滞る」こんなふうに使われます。他にも、『老廃物を流す』なんていうことも、耳にします。
美容の世界では当たり前のように使われる言葉ですが、実は私は長い間、リンパや老廃物の存在を半分疑っていました^^;
老廃物って何のこと?
リンパって何が大事なの?
流れた老廃物はどこへ行くの?
そもそもリンパって何?
って、思っていたんです。せっかくなので、これを機に、きちんとまとめてみたいと思います^o^
血管から周囲の組織に漏れ出た組織液
リンパ液が流れる管。内臓や皮膚など体中に走っている。リンパ液を吸収する毛細リンパ管と、静脈に繋がる太いリンパ管がある。毛細リンパ管は次第に集まり、太いリンパ管につながる。
表皮の直下から毛細リンパ管が起こり、真皮や皮下組織で太いリンパ管に集合して、リンパ液を流す。最終的には鎖骨部分で静脈につながる。つまり、よく言われる『リンパの出口』は、鎖骨。
体内の老廃物や余分な水分を回収する。回収した老廃物や水はリンパ管を流れ、最終的に鎖骨部分から静脈に流れ込む。静脈に流れ込んだ老廃物や水は、尿や汗になって体外に排出される。
いかがでしょうか?
こうして見ると、確かに『リンパ』も『老廃物』も存在するようですね。また、よく「リンパ」「リンパ」と言われますが、実際には『リンパ液』『リンパ管』など複数の意味で使われていることが分かります。
では、このリンパ液の流れが滞るとどうなるのでしょうか?
体内の老廃物がスムーズに排出されず、皮膚にとどまることになります。これを、一般的に『むくみ』と言います。
- 朝起きたら、顔がパンパン!
- 夜更かししたら、まぶたがはれぼったい
これらは、むくみの症状です。
そして実は、むくみが慢性化すると、肌をたるませてしまうことがあります。皮膚の下に溜まった老廃物によって、先程の図で見た『支えられるもの』が重たくなってしまうイメージです。
また、老廃物が溜まると肌の新陳代謝(生まれ変わり)が滞ります。血行不良の場合と同様に、これによって健康な肌細胞が作られにくくなることでも、たるみは悪化します。
血行不良とリンパの流れ
血液は、心臓から吐き出された勢いにのって体をめぐります。一方、リンパ液にはこのような勢いがありません。
リンパの流れは、
- 筋肉の動き
- 血管の圧力
- 呼吸運動
- 腸の蠕動運動
などによって、ゆ~っくり動いています。(血液が約1分間で体を一周するのに対して、リンパ液は約12時間かけて体を一周します。)
自発的に流れる機能がないため、周囲からの刺激が弱まると簡単に滞ってしまいます。ですから、血行不良が起こると、リンパの流れも連動して滞ってしまうのです。
まとめ
「お灸でたるみをリフトアップ!」を目的に、今回、美容お灸を受けてみたわけですが、つまり、お灸のリフトアップ効果とは、
- 血行そのものを改善することで、肌の新陳代謝を高め、たるみにくい肌を作る
- リンパの流れを改善することで、老廃物を流し、たるみの悪化を防ぐ
このようなものだと言えます。
①は、たるみの予防に効果的です。②は、比較的、即効性が期待できるかもしれません。
「かもしれません」というのは、私自身がまだ、「これは確実に効果がある!」という確信を持てないからです^^:
美容お灸を受けてみて、最初は、正直、「わー!ほうれい線が消えた!?」と思いました。結構、感動しました。ただ、その後、お家でお灸を続けていますが、毎回同じ結果が出るわけではありません。
また、お灸を行って血行やリンパの流れを促すことができても、それは一時的な効果です。何もしないよりはずっと良いのですが、『根本的にたるみにくい肌』を作るためには、他にも必要なことがあります。(別の機会にお話しますね)
お灸は、たくさんある『たるみケア』や『健康維持方法』のひとつとして、取り入れるといいのではないかなと思いました。
ということで、スキンケアに対するお灸の効果については、引き続き、研究していきたいと思います!
今回は、血行不良やリンパの滞りがたるみに深く関係していることを覚えておいてくださいね。
そして、血行不良は、女性の美容や体とは切っても切れない関係にあります。
血行不良が引き起こす女性のトラブル
- 乾燥肌
- シワ
- シミ
- 冷え
- 女性ホルモン力の低下
エイジングケアにとって重要なテーマですので、今後も情報をお届けしていきますね。
次回もお楽しみに♪
更新日:2017.11.15投稿日:2015.03.16