高い費用を払ってレーザー治療でシミ取りをするべきか?

加齢と共に増え続ける『シミ』。最近は、女性だけではなく、男性も悩んでいる方が増えています。

本来、シミは、紫外線から私たちの身体を守ってくれるものです。ですから、守る役割を終えたシミは、一定期間が過ぎれば体外に排出されます。夏に日焼けで真っ黒になった肌が冬に元の色に戻るのと同じ原理です。

でも、1度シミができると、なかなか消えませんよね。

特に、年齢を重ねることで新陳代謝が衰えて、シミが体外に排出されるより、できるスピードの方が早くなってきます。その結果、どんどんシミが大きくなって、色も濃くなって、数も増えてきます。

シミは、なぜ消えない?

シミをなくそうと思うと、膨大な時間と労力がかかります。

  • 保湿を行い、失われた肌の回復機能を高める
  • ピーリングなどで、肌の新陳代謝を促進させる
  • 外出時は、日焼け止めや日傘などで紫外線対策を万全に行う。
  • 紫外線を浴びないように細心の注意を払う

などなど。

シミの正体は、紫外線から肌を守るためにメラノサイトから生成された『メラニン色素』です。メラニン色素は、肌の深部で生成されて、新陳代謝によって肌表面まで押し上げられてきます。

ですから、一口にシミと言っても、シミのできる場所はさまざまで、肌の表面にできることもあれば、深い部分にできる場合もあります。

また、シミの濃さもさまざまで、非常に薄いものもあれば、真っ黒いものもあります。これは、生成されるメラニン色素の量や頻度によって変わります。

一度に生成されるメラニン色素の量が多ければ多いほど、色は濃くなります。また、少ないメラニン色素でも、生成される回数が多くなり、肌に重なることでも濃く見えます。

そこで、できるだけ早く簡単にシミを消す手段として『レーザー治療』が用いられます。

シミを消す『レーザー治療』とは?

『レーザー治療』とは、人為的に作り出した光である『レーザー』をシミに照射して、シミそのものを焼き切る治療法です。

人の手でコントロールすることが容易なために、シミ以外にもいろんな医療行為で使われています。

もし、レーザー治療以外でシミを取り除こうと思うと、外科的な治療が必要になります。メスなどを用いて、シミの部分を切除する方法などです。もちろん、シミ以外の部分もダメージを負うことになり、それに比例してリスクも大きくなります。

それに比べて、レーザー治療の場合は、肌に照射されると、メラニン色素に反応して光のエネルギーが熱エネルギーに変換されます。

その変換された熱によって、シミを消滅させます。そのため、シミ以外のダメージを最小限に抑えることができます。

また、治療を行う際には高度な技術が必要でなく、レーザー治療の機器を扱う手順を覚える程度で、時間も短くて済みます。シミを切り取ることに比べれば、かなりリスクの少ない方法だと言えるでしょう。

ただ、これはあくまで『シミを切り取るよりはリスクが少ない』というだけであって、全くリスクが無いわけではありません。

シミを消す『レーザー治療』が招く
5つのリスク

1.肌にダメージを与える

『シミを切り取る』と比べるとマシかもしれませんが、レーザー治療でシミを消すことは、少なからず、シミ以外の部分にダメージを与える行為であることに間違いはありません。

特に、乾燥肌や敏感肌の方は、痛みやかゆみなどの肌の炎症を起こす可能性があります。

2.効果が出にくいシミがある

また、レーザー治療によって、すべてのシミが消えるわけではありません

レーザーは、その特性上、メラニンの色に反応します。だから、色の濃いシミに対しては、効果を発揮します。でも、色の薄いシミに対しては、あまり効果がありません。

そのため、色の薄いシミは、シミそのものを削る方法が使われます。この場合は、レーザーのメリットが少なく、肌へのダメージが大きくなります。

「何度かレーザー治療を行ったけど、大した効果は無かった」と言う方は、薄い色のシミである方が多いと思います。

3.シミはまたできる

そして、もっとも大きなリスクが、レーザー治療でシミは取れたとしても、【根本的にシミができる理由が改善された訳ではない】ということです。

つまり、1度消えたからと言って、今後2度とシミができないわけではありません。シミのできる肌の状況が変わったわけではないので、いずれ同じ場所に同じようなシミができます。

4.シミが悪化する

場合によっては、レーザー治療を受けることで肌の防御機能に変調をきたし、以前よりも大きく濃いシミができることもあります。

本来、肌を紫外線から守る防御機能であるシミを強制的に排除することで、肌が「メラニン色素の量が足りない、もっと生成しなければ!」と思うのかもしれません。

実際に、レーザー治療を行った方で、「以前よりもシミが濃くなった」と言う方が多いようです。

5.シミ以外の肌トラブルが起こる

また、治療後の肌はかなり敏感な状態になっています。そのときに、肌に何らかの刺激が加わることで、シミ以外の肌トラブルが引き起こされる場合もあります。

このように、レーザー治療には即効性がある反面、多くのリスクがあり、根本的なシミ問題の解決にはなりません。

やはり、「メリットだけの問題解決方法など無い」ということです。

だから、メリットとリスクを天秤にかけて判断するしかありません。

まとめ

私の個人的な意見としては、敏感肌や乾燥肌の方、薄いシミの方はやめておいたほうがいいと思います。

私自身もそうなのですが、そもそも普通の人が大丈夫な状態でも、敏感肌・乾燥肌である私たちの肌は何らかの刺激を受けます。みんなは大丈夫なのに私だけ赤くなる、痛みを生じる、炎症が起きるなどの経験を何度もしてきました。

いくらレーザーが人の手で制御しやすいと言っても、人体にとってイレギュラーな行為であることは間違いありません。何もしてなくても問題が起きるのに、イレギュラーなことをして何も問題が起きないわけがありません。

逆に、肌が健康で、かつ、濃いシミによるデメリットの大きい方は、レーザー治療を受ける価値があるかもしれません。人によって美的感覚はさまざまなので、シミによるストレスが大きい場合はありだと思います。

ただ、その場合でも、レーザー治療が一時的な効果であることを理解して、同時並行で、時間や労力はかかるけど肌に負担をかけない根本的なシミ対策も行うことをお勧めします。(『誰も知らない!シミ対策の正しいスキンケア』で詳しくお話しています)本当の意味でシミをなくしたいのであれば、この方法しかありません。

更新日:2017.11.10投稿日:2013.11.12

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アースケア代表・化粧品開発者

井上龍弥

2000年アースケアを創業。保湿に特化したアクシリオの開発・販売を手掛ける。起業家ならではの人生観や自身の超がつく敏感肌・乾燥肌の経験談が愛用者に人気。

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