前回は、メラニン色素の生成と排出のバランスが崩れることでシミができるというお話をしました。おさらいしておきましょう↓
シミが生まれるメカニズム
健康な肌の場合
メラニン色素が・・・
【生まれる(1)】 + 【出ていく(-1)】 =【0(シミのない肌)】
シミが生まれる肌の場合
メラニン色素が・・・
【生まれる(1)】+【出ていかない(0)】=【1残る(=シミ)】
または、
【たくさん生まれる(2)】+【出ていく(-1】=【1残る(=シミ)】
肌が排出する量よりも、メラニン色素が生まれる量が多くなった場合にシミが生まれるんでしたね。では、メラニン色素はどのような理由で、たくさん生成されるようになるのでしょうか?
真っ先に思い浮かぶのは紫外線ですが、実は、それ以外にも理由があります。今日は、その『シミが生まれる理由と対策』をお話します。
あなたが悩んでいるシミの原因が分かったり、普段のスキンケアや生活習慣の中に、シミを生む種があることに気がつくと思います。
それが、シミ対策&シミ改善の第一歩になりますよ!
では、さっそく見ていきましょう!
シミの原因1
ホルモンによるシミ(肝班/カンパン)
加齢によってできるシミの多くが、この肝班(カンパン)だと言われています。
肝班ができる部位は、顔面がほとんどで、額・頬・眼窩(目の周りのくぼみ)の下部・口の周りが多いです。色は、淡い褐色から濃い褐色までさまざまにあり、形もさまざまです。
共通しているのは、その境目が非常にくっきりとしていることです。そして、大半が左右対称にできます。
ホルモンバランスが乱れることで、メラニン色素の分泌が促されたり、メラニン色素が拡散されることから、目立つようになると言われています。
そのため、妊娠時や閉経時、生理不順やピルの服用などで現れやすいという特徴があります。妊娠時・閉経時のシミは、ホルモンバランスが落ち着いてくると消失することが多いです。
一番は、ホルモンバランスを整えること。そして、紫外線対策です。どのようなシミにも言えることですが、シミは紫外線を浴びると一層濃くなります。
また、せっかくホルモンバランスが整っても、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)が滞っていればメラニン色素はいつまでも肌に残ったままです。ターンオーバーを正常に機能させるためのスキンケアをしっかり行いましょう。
※最近は、肝班治療薬も注目されていますが、これらは医薬品ですから、服用してはいけない場合もあります。副作用も考えられますので、医師や薬剤師の指導に従って服用してください。
シミの原因2
ストレスによるシミ
過度な精神的ストレスを受けることで、シミができる場合があります。過去に、ストレスが肌に与える影響についてお話したようにストレスは、脳の視床下部を刺激します。
そこから、ストレスに対抗するためのホルモンが分泌されており、このホルモンは、一方で、メラニン色素の分泌も促すため、シミを発生させると考えられています。
ストレスは、目に見えない、場合によっては実感しにくいものですが、私たちの体や肌に与える影響は大きいです。
シミの原因3
炎症によるシミ
たとえば、アレルギーのある成分が配合された化粧品や薬品、洗剤等を使った時や、毒性のある成分に触れた時に、皮膚は過敏に反応し、『接触性皮膚炎』を起こします。
そうなると、皮膚を守るためにメラニン色素が大量に生成されます。
炎症がおさまれば、メラニン色素の生成量も自然と元に戻るのですが、炎症が長引いたり、他の肌トラブルと重なったりすると、メラニン色素が過剰に作られ続けることになります。
これはニキビ跡にも当てはまります。ニキビが長い間炎症を起こしていたり、肌を深く傷つけてしまった場合には、色素沈着が起こり、ニキビ跡になってしまうのです。
『化粧品や医薬部外品を使う前にパッチテストを行うこと』を習慣にしましょう。ホルモンの影響もあり、女性は体質が変わりやすいです。そのため、「過去に大丈夫だったから、ずっと大丈夫」というわけにはいきません。
また、自分の肌状態や体質を知っておくことも、とても大切です。どんな時期に肌が乾燥するのか、アレルギーを持っている成分は何か、そうやって、炎症を起こし得るものから肌を守りましょう。
皮膚の炎症が起こってしまったら、まず原因となった成分や物質を避け、肌にはとにかく刺激を与えないようにします。
たっぷりの水分を与え続け、焦らずに、肌を落ち着かせるスキンケアをしましょう。もちろん、ニキビの場合には、ひっかいたり、潰したりは厳禁です!ここでシミをつくってしまったら、ニキビがなくなった後に、また何カ月もかけてニキビ跡のケアを行うことになります。
シミの原因4
物理的な刺激によるシミ
皮膚は非常にやわらかく、薄いものです。そのため、思いもよらず、ほんの些細なことで刺激を与えることがあります。
皮膚への物理的な刺激とされているのは、以下の3つです。
- 圧迫
- 摩擦(ナイロンタオル、ブラシなど)
- 高温・低温(ヤケド、しもやけ、紫外線など)
例えば、『圧迫』や『摩擦』の代表といえば、マッサージです。お顔を洗うとき、アクアテクトゲルを塗るとき、ピーリングゲルをするとき、エステや美容院などでマッサージを受けるとき。こうしたときに、強い力を加わると、それが肌には刺激となることがあります。
また、お風呂場で体を洗ったり、拭いたりするときのタオル、下着や衣服によって起こる摩擦や、調理中に跳ねとんだ高温の油によるヤケド、こうしたことも、シミを招きます。
日常のなかの癖や習慣を見直し、肌に刺激を与えていないかを常にチェックし、生活から取り除くことが重要です。
例えば、
- 体を洗うナイロンタオルをやめ、手で直接洗う
- 綿やシルクの柔らかい素材のものに替える
- お風呂上がりに体や顔をふくときは、タオルを肌にあてるだけにする。擦らない
- 体を締め付ける衣服や下着は控える
- 頬杖をつかないようにする(ヒジが黒くなります!)
- 目元をゴシゴシ擦らない
- スキンケアやメイクを行うときに、力を入れない
- 肌を引っ掻かない
などなど。
どれも些細なことなので、「一度やってしまったからシミができる!」ということはありません。
でも、些細なことだからこそ、毎日毎日、気がつくと何年分も、積み重ねてしまうのです。そうした積み重ねが、継続的な刺激となってシミを招きます。
まずは、自分の行動に注意を払って、「これは刺激ではないかな?」とチェックするところから始めてみましょう。
まとめ
どんなシミにも、この対策は忘れないで!
一言で『シミ』といっても、そのシミが生まれた理由にはさまざまあることがわかりましたね。共通して必要な対策は、
- 紫外線対策
- 肌のターンオーバーを整えること
この二つです。
肝班の項目でお話したように、どのシミの場合も、紫外線を受けると濃くなります。
また、過剰に行われていたメラニン色素の生成が落ち着いても、ターンオーバーが滞っていれば、シミは肌に残ります。
だから、この二つの対策は基本中の基本です。
ターンオーバーを整えるためには、きちんと肌を保湿していることが欠かせません。
もし、「毎日、紫外線対策も保湿ケアもしているのにシミがなくならない!濃くなる!」という方は、もしかすると、保湿の方法が間違っているのかもしれません。
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更新日:2017.11.09投稿日:2013.09.26