「メラニン色素はシミのもと」は間違い?シミ対策は誤解がいっぱい!

シミは、エイジングケアに関心の高い方にとっては、頭の痛い問題です。

特に顔にあると目立ちやすく、見た目年齢を引きあげる要素にもなります。

そのため、「シミは絶対作りたくない!」「今あるシミを目立たなくしたい!」と願う方は多いです。

私たちのもとにも、シミに関するご相談がたくさん届きます。

結論から申し上げると、スキンケアによってシミが薄くなったり、目立ちにくくなることは十分期待できます。

ただ、これを実現するためには、シミのことを正しく理解して、正しい方法でスキンケアを行うことが前提です。

というのも、数ある肌トラブルの中でもシミは、誤解や勘違いがたくさんある肌トラブルだからです。

例えば、あなたもこんなふうに考えていないでしょうか?

  • シミの原因は紫外線だ
  • 紫外線対策をしていればシミはできない
  • 美白化粧品を使えばシミはなくなる
  • 何年も前からシミが消えない
  • 年齢を重ねたら、シミができるのは仕方ない

これらはすべて誤解です。

もし一つでも当てはまるなら、ぜひ続きをご覧ください。

シミのないキレイな肌づくりに役立つと思います。

シミの誤解を解くために押さえておきたい
肌とシミのメカニズム

まず、肌とシミのメカニズムから押さえておきましょう。

ちょっと難しく思えるかもしれませんが、この肌の仕組みを理解しておくことが、正しいシミ対策には欠かせません。

少しずつ理解すれば難しくありませんので、一緒に見ていきましょう。

私たちの肌は、
毎日ターンオーバーを繰り返しいる

私たちの肌(表皮)は、表面から

角質層
有きょく層
顆粒層
基底層

の4つの層に分かれています。

最下層である『基底層』で、肌細胞が生み出されます。

その細胞は、形と役割を変えながら肌の表面に上っていき、最後はアカとなって排出されます。これを肌のターンオーバーと言います。

ここまで、大丈夫ですね?

私たちの肌では、
毎日メラニン色素が作られている

さて、肌が生まれる『基底層』には、メラノサイトという細胞もあります。

この細胞は、無色透明の色素(チロシン)を毎日、常に生み出しています。

チロシンは、同じ基底層で生まれた肌細胞の中に取り込まれ、ターンオーバーによって肌全体に広がっていきます。

実は、このチロシンが、シミと深い関係を持っています。

肌に広がったチロシンは、そのままであれば、量は一定しており、無色透明です。

でもここに、紫外線や、摩擦などの物理的な刺激が加わると、次の2つが起こります。

メラノサイトが活性化し、色素(チロシン)をたくさん生成する
色素(チロシン)が黒色化する

無色だった色素が、黒色に変化したとき、名前が変わります。メラニン色素です。

メラニン色素というと、黒い色素がたくさん分泌されるようなイメージがありますが、実は、ちょっと違うんですね。

ターンオーバーの仕組みが、
メラニン色素を排出している

さて、上記の1と2が起こって、肌にメラニン色素がたくさん増えてしまいました。

でも、これだけでは問題ありません。

肌は『ターンオーバー』をしているからです。黒くなって増えたメラニン色素も、古くなった肌細胞と一緒に排出されます。

小さい粒のメラニン色素は、排出されると、肌細胞の中に送り込まれます。

メラニノサイトの周りには、肌細胞のもとになるケラチノサイトがたくさんあります。この肌細胞の中に、顆粒状のメラニン色素がふくまれるのです。

そのまま肌細胞は、肌の表面に押し上げられていきます。そして、最後にはアカとなって、体の外に排出されます。

つまり、メラニン色素は、確かに作られ続けますが、排出もされ続けるため、「肌の色が変わってしまう」、「シミだらけになってしまう」ということはないのです。

これが本来のメラニン色素と肌の仕組みです。

でも、じゃあ、シミってどうしてできるのでしょうか?

シミはこうしてできる!

カンタンです。

このメラニン色素の代謝(生まれて、出ていく仕組み)のバランスが崩れてしまう場合です。

分かりやすいように、プラスとマイナスでシミの仕組みを計算式にしてみました。

まずは、健康な肌の場合
メラニン色素が・・・

【生まれる(1)】+【出ていく(-1)】=【0(シミのない肌)】

プラスマイナスゼロで、キレイな肌です♪

一方、シミができるのは、次の2つの場合です。

シミができる肌の場合

メラニン色素が・・・

【生まれる(1)】+【出ていかない(0)】=【1残る(=シミ)】

 
または、

【たくさん生まれる(2)】+【出ていく(-1】=【1残る(=シミ)】

イメージしていただけたでしょうか?

1つ目の場合は、『メラニン色素が出ていかない』、つまり、肌のターンオーバーが滞っていることが原因です。

アカとなってうまく排出がなされないため、メラニン色素を含んだ肌細胞が、肌の中にどんどん溜まっていきます。その結果、次第に色素の色が目立ち、「あ、シミだ!」となってしまうのです。

2つ目の場合は、『メラニン色素が過剰に分泌される』という状態です。

メラノサイトは、刺激を受けることで、メラニン色素の生成を行います。 この刺激は、主には紫外線、それ以外にも、ホルモンや肌の炎症等さまざまです。

こうした刺激を受け続けたり、集中して強い刺激を受けてしまうと、メラノサイトは混乱して、メラニン色素を過剰に生成してしまいます。さらに厄介なのは、刺激が収まった後も、生成が止まらなくなってしまうことです。

その結果、排出される量よりも、生み出される量が上回り、メラニン色素を含んだ肌細胞が肌に増えてしまいます。

実際には、この2つの現象が、同時に起こっている場合がほとんどです。

常に増えたり、排出されたりが行われているので、シミは濃くなったり、薄くなったり、大きさや形が変わったりするのです。決して一定ではありません。

つまり、今、目に見えているシミは、メラニン色素の生成と排出が、バランス良く行われていない状態そのものなのです。

ここまで読んでくださったあなたなら、もうお気づきですね。

この『メラニン色素の生成と排出』のバランスを整えることがシミやくすみのない、透明感のある肌を作る根本的な解決方法です。

まとめ
シミは諦めるものじゃなかった

肌のことを学ぶようになって、驚いたことはたくさんあります。シミの仕組みも、そのひとつでした。

メラニン色素がシミの元と言うのは知っていましたが、それが生み出され続けていることも、外に排出されているということも、まったく知りませんでした。

シミは、なんというか・・・ 『ずっとそこに貼りついているもの』というイメージでした。できてしまったらなくならないものだと思っていました。もう諦めるしかないものだと・・・。

そもそも、昔の私は、メラニン色素が肌に必要なものだということも知らなかったくらいですから、「おいおい・・・」と突っ込まれそうですが。

とにかく、シミができる仕組みや対処法を知ったときは、希望を持てて嬉しかったことを覚えています。

ということで、 次回は、具体的なシミ対策をご紹介します!

少しずつでも、肌のことを知って、シミのない理想の肌を手に入れましょう♪

続き『紫外線だけじゃない!原因別4つのシミ対策方法』はこちらをクリック

更新日:2017.11.10投稿日:2013.09.25

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