先週、美白ファンデーションって、美白効果はないよねって記事を書きました。世の中に出回っている『美白ファンデーション』の大半は、これに当てはまると思われます。
ですが、中には、実際に美白成分の入った美白ファンデーションもあります。
「美白ファンデーションに美白成分が入っていれば、美白効果があるので、これが本当の美白ファンデーションだ!」と思いがちですが、ちょっと待って下さい。確かに、美白成分を配合すれば、美白ファンデーションと言っても間違いではありません。
でも、そもそもファンデーションに美白成分を配合する必要があるのでしょうか?
ファンデーションに美白成分を配合する訳
違う機能を持ったものを、一つにする。そうすることで、利便性が高まったり、全体の価格を抑えることができます。こういったことは、使用する人にとって非常に大きなメリットです。
この代表的なものと言えば、『スマートフォン』です。携帯電話としては非常に高額ですが、電話機としての働き以外に、パソコンに匹敵する機能を持っています。
さらに、アプリを入れることで、どんどんとその付加価値が高まります。最近は、車メーカーと提携して、カーナビとしての役割も果たします。こうなってくると、電話+パソコン+カーナビ+その他もろもろで数万円なら格安!ということになります。
でもね、何でもくっつければいいというものではありません。やっぱりそれなりに相性があります。スマートフォンのような電子機器なら、相性の悪いものは使用者に使われず、どんどん衰退していくので問題はありません。
でも、化粧品の場合は、それが果たしてどれだけ効果があるのか、非常に分かりにくいです。そのため、相性が悪く効果が発揮できないものでも、漫然と使うことがあります。
また、こういった相性の悪さというのを分かっていながら、化粧品を作る場合もあります。
つまり、実際の効果は度外視して、流行りやイメージを重視して作られた化粧品が世の中には溢れています。
この目的は、もちろん売るためです。
まぁ、普通に考えると、これから日差しが強くなって紫外線が気になる季節、同じ棚に、『普通のファンデーション』と『美白ファンデーション』が並んでいたら、同じ値段なら間違いなく後者を選択するでしょう。少しくらい高くても、『美白ファンデーション』を選びますよね。
でも、美白成分が配合されている美白ファンデーションは、わざわざ選ぶ価値があるのでしょうか?
『美白ファンデーション』の価値
化粧品は、大きく分類すると、この2種類に分かれます。
肌そのものを健やかに保つスキンケアを目的とした化粧品。
美しく見えることに充填をおいたメイクアップ機能を重視したメイクアップ料。
そもそも、ファンデーションを使う一番の目的は、ファンデーションを塗布することで、シミやソバカスを隠すメイクアップ機能です。メイクアップ商品は、肌に浸透するものではありません。その働きは、肌の上に長時間保持されることで発揮されます。
もし、メイクアップ商品の色素などが肌の中にまで浸透すれば、大変なことになります。色素は、肌にとって異物以外の何物でもありませんから。
一方、多くの美白化粧品の目的は、『メラニン色素』の抑制です。メラニン色素は、角質層よりもさらに下の『基底層』という場所にある『メラノサイト』が生みだしています。そのためには、角質層よりもさらに奥の方まで美白成分が浸透する必要があります。
つまり、美白ファンデーションは、肌に浸透させずに表面で維持させたい目的と、肌の奥にまで浸透させたい目的という相反するものが一つになっているわけです。これは、大きな矛盾を抱えており、多くの場合はどっちつかずに中途半端な効果しかもたらしません。
もしくは、見せかけで2つの機能をもっているだけで、実は、一方の機能しかない場合に成立します。
以上のことから、美白ファンデーションは、例え、美白成分の配合されているものでもあまり価値の無い化粧品だと私は思います。
ちなみに、私も複数の機能をひとつにした化粧品を開発しました。洗顔とクレンジングがひとつになった洗顔料。
化粧水と乳液と美容液がひとつになったオールインワンジェル。これらはどれも、同じスキンケアという目的で非常に相性のいいものです。そのため、複数の機能をひとつにしたおかげで利便性やコスト面のメリットが発揮されています。もし、あなたが現在のスキンケアに満足していないなら一度お試しください。
投稿日:2014.06.04